苦手な漢字の学び方(後編)~天才のたねの幸せレシピ⑤~

「漢字テストが大嫌い!!!!」

だって「遊びたい放課に再テストをするから。」

だから「漢字テストを一回で合格したい!」

という4年生の男の子とお母さんが

スコーレ・ペンギン(ペンギン先生の自宅)を

再び訪れました。

苦手な漢字の学び方(前編)はこちらです。

苦手な漢字の学び方(前編)~天才のたねの幸せレシピ③~

ペンギンが大好きな男の子とわたしは、

先ずは、ペンギン体操を2人で踊って

リラックスしました。

以前伝えた学び方は、ノートに何回も

繰り返し練習して覚える学び方よりも

彼に合った方法だと思われましたが、

1回で合格したことのない漢字テストを前に

「やる気スイッチ」をどう入れようか、

彼にとって苦手なことに

どう取り組んだらいいのかを

思いあぐねている様子でした。

「放課に再テストをやりたくないから」という

嫌だから「やる」より、嬉しいから「やる」の方が

子どもは力を発揮します。

そこで、最初に彼の視点を変える質問をしました。

「一回で合格したらどんな気持ち?」

「やったーって嬉しい気持ち」

「じゃあ、その嬉しい気持ちになるために

ペンギン先生に何かやってほしいことある?」

「合格するための練習に協力してほしい。

いつものように励ましてほしい。

ママにやり方を教えてほしい。」

彼から3つのお願いがでました。

3つめの「ママのやり方を教えてほしい」のところで、

ずっと宿題に付き合って、

お母さん自身が疲れているように思われたので、

今回一緒に学ぶことをきっかけに変化が起きて、

やがて彼が自ら取り組めるようになるといいなと考えました。

そこで、「分かったよ。そして3つ目のママのところを

ペンギン先生が毎日10分メッセンジャーで

一緒にやるのはどうかな。」と提案してみました。すると、

「いいよ!」と即答だったので、

「じゃあ、出来るかどうか試してみようよ。」

となりました。

メッセンジャーを使った

漢字学習を行うために、次のことを決めました。

彼が決めたことは、

・2月25日の漢字テストに向けて、5つずつ覚える。

・カードに書いて準備をしておく。

わたしが伝えたことは

・夜一緒に練習して間違えた漢字を、朝、もう一回見ると覚えられるよ。

伝えた理由:間違えた漢字を投げ出さないようにするために、

何をしたらいいのかを具体的に提示すると行動しやすくなるから。

・満点を目指すよりも、合格を目指す方がより力を発揮できるよ。

伝えた理由:100点という結果に強くこだわることで、

途中分からない漢字があった時に落ち込んで、集中が途切れてしまうのをふせぐため。

2人で決めたこと

・3日坊主にならないように、4日はやろうね

2人で話し合いが終わると、

彼はお母さんのところに飛んでいき

お母さんにくっついて、

「ねえ、ママは幸せ?ぼくは、日々ママと過ごすのが幸せなんだよ。」

と言っている様子に、胸がきゅんっとしました。

翌日から、1日に1回10分~30分ぐらいの間で、

漢字の学習の伴走スタートです。

1日目

約束の時間前に、自分で決めた5つの漢字をカードに書き、

準備をして待っていました。

・今日の漢字5つを空がきをする

・覚えられないのは、翌日もう一回する

・思い出せない時は、とばして最後に考える

ということをしました。

彼には、一瞬「ん?」と悩んで

直ぐに分からなかった漢字にも付箋を貼って、

繰り返し覚えようとするところがありました。

一瞬の動作でしたが、苦手な漢字を学ぶ上でよい向き合い方なので、

そこをフィードバックしました。

間違えたところを指摘することも

学ぶ上では大切ですが、

実はこのように子どもが努力や工夫をした

小さな瞬間を見つけてフィードバックし認めることで、

子どものやる気を高めていきます。

1日目の様子を見守っていてくださったお母さんから

「楽しそうにやっていたのが、一番印象的でした!

あと、自分から工夫をしようとしていることや、

自分が覚えるために考えたりしようとしていることなど、

とてもいつも漢字を覚えている時間とは思えないくらいです。

途中でも、楽しい!言葉がでていたほど。

メッセージャーに繋ぐ前は『緊張する。』と

言っていましたが、始まったら楽しそうでした。」

とメッセージをいただきました。

わたしは、自分から工夫をしたり

自分が覚えるために考えたりすることで、

創造性と自己決定力が養われること

それから、

自分で決めたことは

うまくいったら自信になるし

うまくいかなかったら

次はどうしたらいいのかを考える材料になるので

どちらにしても学びになることをお伝えしました。

2日目の様子

・大臣の臣の書き順が、こうやって書くんだ!初めて知った!と興味をもつ

3日目の様子

・臣の書き順を覚えていました。

・「やりたい気持ち」が出てきました。

・間違えた「改良」と「改める」を明日の朝、もう一回練習すると言いました。

始める前に「3日坊主になったらどうしよう、、、」

とつぶやいていたのもあったので、

まず、3日間続いたことを「ばんざーい!」と喜び合いました。

お母さんからは、
「いつもはゲームやテレビ三昧。

ペンギン先生と始めてから、何も言わなくても、

6時から準備をし始め、漢字を書き、

覚えていて、6時半を今かと待っています。

自分で動くことも3日、続いています。

こんな姿は初めて見ます!

よっぽど楽しいんでしょうね。ありがとうございます。」

とメッセージをいただきました。

4日目の様子

・満足の満 下が短い

・児童館の児 目じゃなくて日

間違えた漢字があっても、

嫌がらずにパッと間違い直しをするようになっていました。

5日目

50問テストの字が太くて、

やる気が感じられました。

間違えていた漢字があっても、

全部書いて答えていたことに、

達成感を感じている様子でした。

そして、「間違えた字はどうする?」と聞くと、

「正確に書ける様に、紙に一回書いて練習する」

と応えました。どうしたらいいのかを自分で考えて、

「こうする」を決めて(自己決定)、

一つひとつ取り組んでいくことで、

自信がついていきます。

わたしは、間違っている漢字は、

どこが間違っているかを明確に指摘します。

はねがない、はらいが短い、口がかっくんとしていない、

書き順が違っているなどなど細かく指摘します。

ただ、指摘をする時に

「この方法で覚えなさい」と言ったり

「やるって言ったよね(なのにやっていない)」

とダメ出ししたりはしません。

間違っているところを指摘したら、

子どもが「こうする」と言うまで待って、

努力や工夫したところを見つけて

認めることをコツコツやるのがわたしのやり方です。

このような調子で9日間行いました。

そして、漢字テストの前日に、

1度プリントに書いて練習をしました。

「とめ・はね・はらい」のところで、

何カ所も間違いがあり

いつもより練習できたのに、

間違えちゃうと落ち込んで涙が出た様子でした。

その様子を「もっている力を全て出しきれますように」

という気持ちで見守っていました。

すると、「もし明日間違えたら練習するから、

合格してもしなくても、もう1日おつきあいお願いします。」

と彼が言ったので

「分かったよ。頑張っていることで間違えると

悔しい気持ちになるね。応援しているね。」

とエールを送りました。

お母さんから

「相当疲れていましたね。

明日までどうするかは、本人に任せますね。

ありがとうございます。」

とメッセージをいただきました。

そして、漢字テストがあった夜

「1回で合格できた!やったーーー!嬉しい!」

と彼から報告を受けました。

彼の努力が報われて何よりです。

学校に行くことは、

初めてのことやできないことを

日々学びに行くことで、

毎日、毎日、坂道を歩いているようなものです。

だから、できて当たり前じゃなくて、

できないことがあって当たり前なのです。

でこぼこでも真っ直ぐじゃなくても

前に前にと進む力が子どもにはあります。

そして、子ども達一人ひとりに

よさや才能、「天才のたね」が必ずあります。

今回は、漢字を何回もノートに

繰り返して書いて覚えるという方法が

合わなかった男の子が

彼に合った漢字の学び方を身につけて、

「1回で合格したい」という想いを叶えたお話しです。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

宿題につまずいた子どものペンギン先生を

ご縁のある方に行っています。

子どもに適した学び方を見つけて

3週間、宿題を一緒にします。

目的は「幸せに生きる」こと。

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