ペンギンのお庭

ぼくの秘密基地、その後

秘密基地を作った男の子に出会いました。

男の子の気持ちを聞いたときに

「今は言いたくない」と

涙を浮かべていた彼のことが

ずっと気になっていました。

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出会いから約3年が過ぎ、

母親に再会をすると

中3になってからずっと学校に行っていないことを

わたしは知りました。

ゆるやかな空気感の里山なら、

親子ともに気兼ねなく気楽に過ごせるかも、、と思い

誘ってみました。

里山で「柿の葉寿司」を一緒に作り

おしゃべりをしたり、

作業をしたりする中で

15歳の青年になった彼は、

珈琲を淹れることが得意なことが分かりました。

「是非、珈琲を淹れに来てください」

誰かが彼にそう言いました。

その2日後、

朝の5時に起き、

電車二つとバス二つを乗り継いで

珈琲道具一式を抱えて里山にやってきた彼は

そのとき集まった方々に珈琲を振る舞いました。

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里山で珈琲を振る舞うこと4回目

帰り道の車の中で、

不登校を経験した15歳の青年は

「15年生きてきて分かったこと」を

わたしに語り始めました。

「ぼくはずっと変わりたいと思ってきた。

 だけど変われなくて辛かった。

 (今思えば)自分を変えようなんて

 自分に酷いことをしていた。

 それまでの自分を否定していた。

 そのままの僕でいいって、認められる環境で

 変わらなくても楽しいんだって、

 分かった時に初めて、

 ぼくは変われたんだ。」

大好きな珈琲を出会った方々に

心を込めてふるまう経験や

自分の得意なことで

目の前の人が喜んでくれる経験を

一つひとつ積み重ねる中で

もともと彼の中にあった

根拠のない自分を信じる力が蘇ってきたんだと

彼の姿を通してわたしに伝えてくれました。

彼の口から出てくる言葉の一つひとつが

砂金のようにキラキラと輝いているのを感じていました。

彼の生命が輝いている、、、

そう感じ入っていたときです。

虹が現れました。

里山の場所 柿BUSHI

ABOUT ME
ペンギン先生
ペンギン先生 愛知県在住。元小学校教員。 学級崩壊のクラスを受け持ち、「面倒くさいし」「やりたくないし」「出来ないし」という子ども集団を目の前にして、「何とかしたい」「道を拓きたい」と懸命に試みていたあの頃の私を思い出しながら書いています。 自己肯定感の低い子ども達や家族の心の闇に直面し、「子ども達一人ひとりに、必ず1つは『天才のたね』がある!」「温かな家族のようなクラスにしたい!」という想いを心の灯火に、試行錯誤しながらも課題に1つ1つ取り組み、全国平均76%よりも低かった子ども達の自己肯定感が担任していたクラスでは97%へと向上しました。 このブログを通じて、子供達の可能性を信じる気持ちが波紋のように大人たちに広がることを願っています。

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