学級崩壊をしたクラスの課題の1つ
イライラ・トゲトゲケンカがめちゃくちゃ多い。
授業中にケンカ勃発・授業はストップ!
中には、3年越しのケンカもあって、
ボタンの掛け違い(感情のからまり)に、
コツコツコツコツ対応していくうちに、
時間をかけない・叱らない
「エコ・エネルギー」でできる
ペンギン先生なりの方法を見つけました。
夫婦喧嘩にも活用できるかも!?
よかったら、お試し下さい。
①
朝ご飯を食べていない
充分な睡眠をとっていない
いつも誰かから怒鳴られている
勉強が分からなくて嫌!
何かでイライラを心に抱えている子ども同士は、
簡単にぶつかり合い喧嘩し合います。
②
そこに、見物人もケンカに加わり、
数がふくれ上がります。
このケンカのパターン
・何がそもそもの原因なのか、スタートが分かりにくい
→ケンカのたねが次に持ち越し、再び勃発!
・ケンカをあおる子がいても、止める子がいない
→ますますケンカ広がる
・授業がなくて、ラッキー感のある子どもがいる
→このままだと、授業は成立せず
子どもの行動お直し対象
だって、学校は学ぶところよ♡
③
見事なケンカの拡大…
心をズキンとさせる言葉の応酬…
ケンカをするだけして、仲直りはできない…
そして、授業はストップ…
どうしたらいいのか考え込みました。
ところが、考え込んでもいい方法は浮かびません。
ここで、編み出したのが、
考え込んだときに、
下を向くのではなく、上を向く方法です。
顔を上げて、広い空を見ながら、
「どうしたらいいですか~~」
と「問い」をたて、しばらくすると、ふとひらめく!
ということに気づきました。
あと、寝る前に、
「これとこれの答えを目覚めたら教えて下さい」
とお願いして寝て、朝ひらめく!というのもありました。
脳の記憶が整頓されるからです。
↑これは、コツがいって、ごちゃごちゃ悩まず、
「問い」を立てるだけにするのがポイントです。
寝る前に悩むと、翌日の脳の機能を落としますから…
寝る前は楽しい気分にして、寝る方が、翌日よく脳が働いてくれます。
さて、ケンカが起きて授業がストップの日々を変えたかった私は、
「クラスを学びの場にしたいです。」
「最初に、何をしたらよいですか~。」
と、歩きながらお空を見上げて「問い」を放ちました。
すると、
④
会ってお話をすると、心が和み、
時々びっくりするような天然ぷり(※注1)が笑えてくるおばあちゃん先生が、
6才(1年生)の子ども達に言っていた、
「1対1はケンカ 1対2はイジメ」
という言葉を思い出しました。
そこで、10才(4年生)の子ども達にどう思うか、
数人呼んで聞いてみました。
※注1 おばあちゃん先生が水泳の授業中
水着の肩の辺りから、何か布がでている…
よく見たら、スカートでした(笑)
つまり、スカートを着たまま、水着を着ていて、
それがめくれて肩から出ている状態(笑)
はい、脱線しました。ケンカの処方箋に戻ります。
⑤
「こんなルールがあると、
クラスが安全で気持ちよくすごせるようになると思うんだけど、
どう思う?」と聞くと、
公平な心をもつ子
「2対1になると、数や力で負けちゃうから、本当の解決にならないよ。」
気持ちの分かる子
「1対1でもなかなか本当のことが伝えられないのに、
2対1になったら何も言えなくなっちゃうよ」
だから、ルール化には「いいね~」とのことでした。
そこで、
⑥
学級の課題として子ども会議に提案しました。
その際、2つの選択肢を子ども達に、
描いて見せるという方法をとりました。
次のようなお話しをしました。
「あなたたちは、ずっとケンカをしたり悪口を言い合ったり、
先生に叱られたり怒鳴られたりする中で過ごしてきました。
そんな毎日は楽しいですか?成長はありましたか?
これからも続けますか?私は、気分が悪いですよ。
それとも、今ここから、
教室が安心で気持ちのよい場になるように、
学び成長する場になるように、
変えていきますか?
どちらの道を選びますか?」
そう演説をしクラス改革に向けて、2週間のお試し期間に入りました。
⑦
多忙を極める先生業務…
いろんな仕事が1つの時間に重なります。
でも、全てのことは出来ないので、
(特に私は頭がごちゃごちゃして出来ないので)
この2週間は「ケンカ集中週間」として、
子ども達のケンカにアンテナを張ります。
そして、まず、見物人の行動から、
「行動お直し」をしかけていきました。
⑧
お試し期間中は、率先して、
「ストッパー(止める)役」を演じます。
ケンカを周りであおる子や巻き込まれそうになる子と、
ケンカの当事者の間に体を入れて、
イライラエネルギーの拡大を防ぎます。
すると、子どもの中に私の真似をして、
ケンカをあおる子や、巻き込まれる子の間に入って、
ストッパー(止める子)が現れ始めました。
そこをすかさず「とめてくれてありがとう」
と、ありがとう魔法を使います。
そして、見学者に、
「次はどうする?」と問い、
「次はケンカに加わらない。」
「離れてみる。」
「先生をよぶ。」
など、子ども達が言ったら、
それをきちんと覚えておき、
次に子どもがその行動をした時に、
すかさず「やると言ったことをやったね」と1つ1つ
承認をしていきます。
そうやって、ケンカを2人の間に留めておいて、
そのケンカの当事者に対応するという方法にもっていきました。
⑨
1対1のケンカになった時に、
浮き彫りになった子どもの姿は、
互いを責め続けて、仲直りができない姿でした。
声の大きさや力の強さ…
言葉のトゲトゲの鋭角なこと…
相手の心を突き刺し、
どちらが上かを競い合うケンカの仕方でした。
「仲直りをする」って自然にできることではなく、
教える必要のあるスキルなの?と疑問でした。
でも、目の前の現状が「責め合い続ける」姿なのだから、
ここは対応するしかありません。
⑩
「責め合い続ける」2人から、
すぐ話を聴くと、
両者ともにイライラしているので、
時間がかかる…かかる…
授業もストップした状態だと、
「ケンカをするな~~!」と、
怒鳴りたくなります。
でも…怒鳴ってケンカをやめて、
素直に反省するくらいなら、
学級崩壊していませんから!
そして、時間は有限です。
再び…お空を見上げて、
「平和でエコに解決する方法は何ですか~」
と、「問い」を放ちます。
すると、
⑪
ここでまた、ひらめきました。
⑫
相手のことを責めてケンカが続いているんだから、
相手に向いているベクトルを、
自分に向けてもらい、
自分のことを振り返ってもらおう!
子ども達に、お庭の絵を描いて、
「仲直りには、自分のお庭に戻ることから」
を教えました。
⑬
ケンカの当事者に聴くまでの流れは次の通りです。
①ケンカのイライラエネルギーが拡大しないよう、
見学者が加わらないようにする。
②ケンカの当事者を離し、「お一人タイム」をつくる。
イライラのまま言葉を発すると、ケンカが悪化します。
そこで、「お一人タイム」を作り、両者の心が落ち着くまで待ちます。
その間に、ケンカを見聞きしていた子に、
時間軸で「自分が見たこと・聞いたこと」を聞きます。
この「自分が」がポイントです。
③その後、ケンカの当事者の心が落ち着いた状態で話を聴きます。
自分が「したこと」を自ら伝えた子には、
「正直に言えたね」と伝えます。
すると、子どもが嘘をついたり、
隠そうとしたりしなくなり、
さらに時間と労力がエコになりました。
⑭
子どもの気持ちが落ち着くのを待って話を聴くと、
「次はどうしたいか」を子どもが決められるようになっていきました。
⑮
ここでも、「次どうしたいか」を子どもが言ったら、
子どもがその行動を次とるかどうか様子を見守りました。
そして、やろうとした時はすかさず、
「自分が言ったことをやろうとしたね」と承認しました。
⑯
子どものケンカの理由はさまざまです。
⑰
友だちとの関わり方が不器用で、
仲良く遊びたくても、
なかなか上手く遊べない子どもだっています。
その時には、どんな方法だとお互いに楽しく遊べるかを、
あ~でもない、こ~でもないと子どもと一緒に考えました。
「一緒に遊ぼう」と一言言うのだって、
勇気が必要な子どもがいますから。
⑱
⑱
子ども達が、それぞれの個性を発揮し、
役割を担うようになっていきました。
⑲
最初は、手間がかかります。
学校でケンカが起きると、
先生がルールを決めて、小さなモノサシで
「いい・悪い」を判断する「アメとムチ系賞罰指導」や、
「ごめんね」と言ったら「いいね」と言わせる
子どもの本当の気持ちより形優先のやり方をとる先生がいます。
一見、叱られたり、謝ったりして解決したことになります。
だけど、アメとムチ系賞罰指導だと、
子どもは先生の顔色をうかがって
先生の気に入るように伝えられる子は有利で、
それだと公正さがないし、
形優先だとどちらの子どもにも不満が残り、
どちらにしてもケンカは水面下で続き、
場合によっては陰湿化します。
それらの方法に比べると、この方法は、
ずっとずっと小さなコツコツが続きます。
最初は、時間もかかります。
その代わり、ある時期を越えると、
先生の手を離れて、子ども達によって自然に解決できる時期がやってきます。
子ども達の個性が発揮されていきます。
ケンカがおきても、
「はいはい、イライラ同士離れて~」
と公正な判断のできる子が間に入り、
「〇〇ちゃんの話し聴いたって~」
とカウンセラーの様に共感して話を聴く子どもが現れ、
「そこは、あやまった方がいいと思うよ。」
と子どもが子どもをさとし、
とうとう、わたしの出番はなくなりました。
そうして、
⑳
やったー!授業やりたいもん!
学ぶって楽しいもん!ばいばんざいです!
3学期には、授業進化系として、
子どもが先生役・黒板を書く役・当てる役と
役割分担をして授業を進め、
私は子ども達に混じって、
授業を受けるということを試してみました。
「地蔵君」が先生役をした後で、
(地蔵君…学級崩壊していた時には教室を飛び出し
校庭で固まって動かなかった子)
「先生で教えるのって、なかなか大変なんだね。
これからは、先生にもっと協力する。」
としみじみと言ったので、
「立場を変えると、学びは大きいね~」
と、大喜びで校長先生に話したら、
「授業は先生がやるもんです!」
と、叱られました。
黙っていればよかった…チーン