ペンギン先生の実践

イライラケンカを乗り越える~子ども達の再生と成長~

学級崩壊をしたクラスの課題の1つ

イライラ・トゲトゲケンカがめちゃくちゃ多い。

授業中にケンカ勃発・授業はストップ!

中には、3年越しのケンカもあって、

ボタンの掛け違い(感情のからまり)に、

コツコツコツコツ対応していくうちに、

時間をかけない・叱らない

「エコ・エネルギー」でできる

ペンギン先生なりの方法を見つけました。

夫婦喧嘩にも活用できるかも!?

よかったら、お試し下さい。

朝ご飯を食べていない

充分な睡眠をとっていない

いつも誰かから怒鳴られている

勉強が分からなくて嫌!

何かでイライラを心に抱えている子ども同士は、

簡単にぶつかり合い喧嘩し合います。

そこに、見物人もケンカに加わり、

数がふくれ上がります。

このケンカのパターン

・何がそもそもの原因なのか、スタートが分かりにくい

→ケンカのたねが次に持ち越し、再び勃発!

・ケンカをあおる子がいても、止める子がいない

→ますますケンカ広がる

・授業がなくて、ラッキー感のある子どもがいる

→このままだと、授業は成立せず

子どもの行動お直し対象

だって、学校は学ぶところよ♡

見事なケンカの拡大…

心をズキンとさせる言葉の応酬…

ケンカをするだけして、仲直りはできない…

そして、授業はストップ…

どうしたらいいのか考え込みました。

ところが、考え込んでもいい方法は浮かびません。

ここで、編み出したのが、

考え込んだときに、

下を向くのではなく、上を向く方法です。

顔を上げて、広い空を見ながら、

「どうしたらいいですか~~」

と「問い」をたて、しばらくすると、ふとひらめく!

ということに気づきました。

あと、寝る前に、

「これとこれの答えを目覚めたら教えて下さい」

とお願いして寝て、朝ひらめく!というのもありました。

脳の記憶が整頓されるからです。

↑これは、コツがいって、ごちゃごちゃ悩まず、

「問い」を立てるだけにするのがポイントです。

寝る前に悩むと、翌日の脳の機能を落としますから…

寝る前は楽しい気分にして、寝る方が、翌日よく脳が働いてくれます。

さて、ケンカが起きて授業がストップの日々を変えたかった私は、

「クラスを学びの場にしたいです。」

「最初に、何をしたらよいですか~。」

と、歩きながらお空を見上げて「問い」を放ちました。

すると、

会ってお話をすると、心が和み、

時々びっくりするような天然ぷり(※注1)が笑えてくるおばあちゃん先生が、

6才(1年生)の子ども達に言っていた、

「1対1はケンカ 1対2はイジメ」

という言葉を思い出しました。

そこで、10才(4年生)の子ども達にどう思うか、

数人呼んで聞いてみました。

※注1 おばあちゃん先生が水泳の授業中

水着の肩の辺りから、何か布がでている…

よく見たら、スカートでした(笑)

つまり、スカートを着たまま、水着を着ていて、

それがめくれて肩から出ている状態(笑)

はい、脱線しました。ケンカの処方箋に戻ります。

「こんなルールがあると、

クラスが安全で気持ちよくすごせるようになると思うんだけど、

どう思う?」と聞くと、

公平な心をもつ子

「2対1になると、数や力で負けちゃうから、本当の解決にならないよ。」

気持ちの分かる子

「1対1でもなかなか本当のことが伝えられないのに、

2対1になったら何も言えなくなっちゃうよ」

だから、ルール化には「いいね~」とのことでした。

そこで、

学級の課題として子ども会議に提案しました。

その際、2つの選択肢を子ども達に、

描いて見せるという方法をとりました。

次のようなお話しをしました。

「あなたたちは、ずっとケンカをしたり悪口を言い合ったり、

先生に叱られたり怒鳴られたりする中で過ごしてきました。

そんな毎日は楽しいですか?成長はありましたか?

これからも続けますか?私は、気分が悪いですよ。

それとも、今ここから、

教室が安心で気持ちのよい場になるように、

学び成長する場になるように、

変えていきますか?

どちらの道を選びますか?」

そう演説をしクラス改革に向けて、2週間のお試し期間に入りました。

多忙を極める先生業務…

いろんな仕事が1つの時間に重なります。

でも、全てのことは出来ないので、

(特に私は頭がごちゃごちゃして出来ないので)

この2週間は「ケンカ集中週間」として、

子ども達のケンカにアンテナを張ります。

そして、まず、見物人の行動から、

「行動お直し」をしかけていきました。

お試し期間中は、率先して、

「ストッパー(止める)役」を演じます。

ケンカを周りであおる子や巻き込まれそうになる子と、

ケンカの当事者の間に体を入れて、

イライラエネルギーの拡大を防ぎます。

すると、子どもの中に私の真似をして、

ケンカをあおる子や、巻き込まれる子の間に入って、

ストッパー(止める子)が現れ始めました。

そこをすかさず「とめてくれてありがとう」

と、ありがとう魔法を使います。

そして、見学者に、

「次はどうする?」と問い、

「次はケンカに加わらない。」

「離れてみる。」

「先生をよぶ。」

など、子ども達が言ったら、

それをきちんと覚えておき、

次に子どもがその行動をした時に、

すかさず「やると言ったことをやったね」と1つ1つ

承認をしていきます。

そうやって、ケンカを2人の間に留めておいて、

そのケンカの当事者に対応するという方法にもっていきました。

1対1のケンカになった時に、

浮き彫りになった子どもの姿は、

互いを責め続けて、仲直りができない姿でした。

声の大きさや力の強さ…

言葉のトゲトゲの鋭角なこと…

相手の心を突き刺し、

どちらが上かを競い合うケンカの仕方でした。

「仲直りをする」って自然にできることではなく、

教える必要のあるスキルなの?と疑問でした。

でも、目の前の現状が「責め合い続ける」姿なのだから、

ここは対応するしかありません。

「責め合い続ける」2人から、

すぐ話を聴くと、

両者ともにイライラしているので、

時間がかかる…かかる…

授業もストップした状態だと、

「ケンカをするな~~!」と、

怒鳴りたくなります。

でも…怒鳴ってケンカをやめて、

素直に反省するくらいなら、

学級崩壊していませんから!

そして、時間は有限です。

再び…お空を見上げて、

「平和でエコに解決する方法は何ですか~」

と、「問い」を放ちます。

すると、

ここでまた、ひらめきました。

相手のことを責めてケンカが続いているんだから、

相手に向いているベクトルを、

自分に向けてもらい、

自分のことを振り返ってもらおう!

子ども達に、お庭の絵を描いて、

「仲直りには、自分のお庭に戻ることから」

を教えました。

ケンカの当事者に聴くまでの流れは次の通りです。

①ケンカのイライラエネルギーが拡大しないよう、

見学者が加わらないようにする。

②ケンカの当事者を離し、「お一人タイム」をつくる。

イライラのまま言葉を発すると、ケンカが悪化します。

そこで、「お一人タイム」を作り、両者の心が落ち着くまで待ちます。

その間に、ケンカを見聞きしていた子に、

時間軸で「自分が見たこと・聞いたこと」を聞きます。

この「自分が」がポイントです。

③その後、ケンカの当事者の心が落ち着いた状態で話を聴きます。

自分が「したこと」を自ら伝えた子には、

「正直に言えたね」と伝えます。

すると、子どもが嘘をついたり、

隠そうとしたりしなくなり、

さらに時間と労力がエコになりました。

子どもの気持ちが落ち着くのを待って話を聴くと、

「次はどうしたいか」を子どもが決められるようになっていきました。

ここでも、「次どうしたいか」を子どもが言ったら、

子どもがその行動を次とるかどうか様子を見守りました。

そして、やろうとした時はすかさず、

「自分が言ったことをやろうとしたね」と承認しました。

子どものケンカの理由はさまざまです。

友だちとの関わり方が不器用で、

仲良く遊びたくても、

なかなか上手く遊べない子どもだっています。

その時には、どんな方法だとお互いに楽しく遊べるかを、

あ~でもない、こ~でもないと子どもと一緒に考えました。

「一緒に遊ぼう」と一言言うのだって、

勇気が必要な子どもがいますから。

子ども達が、それぞれの個性を発揮し、

役割を担うようになっていきました。

最初は、手間がかかります。

学校でケンカが起きると、

先生がルールを決めて、小さなモノサシで

「いい・悪い」を判断する「アメとムチ系賞罰指導」や、

「ごめんね」と言ったら「いいね」と言わせる

子どもの本当の気持ちより形優先のやり方をとる先生がいます。

一見、叱られたり、謝ったりして解決したことになります。

だけど、アメとムチ系賞罰指導だと、

子どもは先生の顔色をうかがって

先生の気に入るように伝えられる子は有利で、

それだと公正さがないし、

形優先だとどちらの子どもにも不満が残り、

どちらにしてもケンカは水面下で続き、

場合によっては陰湿化します。

それらの方法に比べると、この方法は、

ずっとずっと小さなコツコツが続きます。

最初は、時間もかかります。

その代わり、ある時期を越えると、

先生の手を離れて、子ども達によって自然に解決できる時期がやってきます。

子ども達の個性が発揮されていきます。

ケンカがおきても、

「はいはい、イライラ同士離れて~」

と公正な判断のできる子が間に入り、

「〇〇ちゃんの話し聴いたって~」

とカウンセラーの様に共感して話を聴く子どもが現れ、

「そこは、あやまった方がいいと思うよ。」

と子どもが子どもをさとし、

とうとう、わたしの出番はなくなりました。

そうして、

やったー!授業やりたいもん!

学ぶって楽しいもん!ばいばんざいです!

3学期には、授業進化系として、

子どもが先生役・黒板を書く役・当てる役と

役割分担をして授業を進め、

私は子ども達に混じって、

授業を受けるということを試してみました。

「地蔵君」が先生役をした後で、

(地蔵君…学級崩壊していた時には教室を飛び出し

校庭で固まって動かなかった子)

「先生で教えるのって、なかなか大変なんだね。

これからは、先生にもっと協力する。」

としみじみと言ったので、

「立場を変えると、学びは大きいね~」

と、大喜びで校長先生に話したら、

「授業は先生がやるもんです!」

と、叱られました。

黙っていればよかった…チーン

Photo by Emmy

ABOUT ME
ペンギン先生
ペンギン先生 愛知県在住。元小学校教員。 学級崩壊のクラスを受け持ち、「面倒くさいし」「やりたくないし」「出来ないし」という子ども集団を目の前にして、「何とかしたい」「道を拓きたい」と懸命に試みていたあの頃の私を思い出しながら書いています。 自己肯定感の低い子ども達や家族の心の闇に直面し、「子ども達一人ひとりに、必ず1つは『天才のたね』がある!」「温かな家族のようなクラスにしたい!」という想いを心の灯火に、試行錯誤しながらも課題に1つ1つ取り組み、全国平均76%よりも低かった子ども達の自己肯定感が担任していたクラスでは97%へと向上しました。 このブログを通じて、子供達の可能性を信じる気持ちが波紋のように大人たちに広がることを願っています。

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