ペンギン先生の実践

いじめをしない心のブレーキ~懸命に考えて、真剣に取り組んだこと~

懸命に考えて、真剣に取り組むこと

友だちから連絡がありました。

「子どもが死にたいと言ったお母さんから相談されて、わたしはこう答えたのだけど、、、それで正しかったんだろうか。」

という内容でした。

わたしは彼女に、いじめられた子どもに出逢った時にどう関わったのか、そして体験を通して気づいたことをお話をしました。

6年生の卒業式間近に隣のクラスである女の子へのいじめが発覚し、そのいじめに対して、学年の先生全員で真剣に取り組んだ事がありました。

卒業式間際で、限られた時間で、いじめを根本的には解決できないかもしれない。だけど、この経験を通して辛い時に真剣に受け止めて動いた大人がいるとせめて思ってもらえるように、今できる事をしよう!というのが、その時の先生チームの共通理解でした。

卒業式の準備、卒業までの学習のまとめ、、、様々な作業や準備が積み重なる中で、いじめに関わった子ども達への聴き取りや、保護者対応などに時間を費やしていました。

これらの経験を通して、目の前の子ども達は何を感じ、何を学ぶのだろうか。

何がその子にとって未来の糧となるのだろうかと問いをもって

何が正解かはずっと先の未来にならなければ分からない

目の前の子どもの対応をしていました。

それから約1ヶ月後

再会した女の子のお母さんに

「子どもは、◯◯さん(いじめた子)がいる中学校は嫌な気持ちがするけど、

先生たちが真剣に対応してくれたから、

わたしは中学校に行くと言って、毎日通っています。」

と伝えられました。

メッセージをいただきました。

この「懸命に考えて、真剣に取り組むこと」を投稿したら、

ある方からメッセージをいただきました。

ある集まりで出会って、素晴らしい感性の持ち主の方だなと感じていた女性からです。

お久しぶりです〜。先程、投稿拝見して、私の体験談をシェアしちゃいます。

私もいじめられっ子でしたので^_^

どんないじめられ方をしているかによるかもなのですが…

私の場合は、小学生の頃、クラスの女子全員から突然無視されるというのが、4年続きました。

確実に分かったのは、人の心の痛みでした。自分は絶対に人をいじめたりしない!と思いました。

いじめられている時は、自己肯定感は確実に下がり、生きる価値があるのか、悩みました。

自分の何が悪かったのか、なぜなのか、誰にも聞けず、親にも話せず、苦しかった!

そんな中、私は自分以外にいじめられている子に、

大丈夫だよ、と話しかけた記憶が残っています。

今となっては、その子を自分の鏡として見て、大丈夫だよ、と話したんだろうなー、と思います。

人生は必ずシンメトリーになりますよね。いいことも悪いことも。

私は、逃げない道しか知らなかったのですが、道は一つではないから、

大丈夫なのだという事が分かれば、少しは楽になるかもしれない^_^

答えはないけれど、人生捨てたものじゃないのは、

伝えてあげたいなぁと思いました!

結局、理由は女子のリーダー的な存在の子が好きな男の子が、

私の事を好きだったかららしいです。

理由なんて、そんなもので、ほとんどは些細な事で、環境が変わればエネルギーも変わる。

その彼女に幸せが訪れる事を祈ります^_^

~・~・~・~・

わたしは、4年間の彼女の辛さや苦しさ、

そしてその後はどうだったんだろう、、と目を閉じて心で反芻し、

「かける言葉がみつからないよ、、、」と思いました。

そして、以前友人から送られたローマ教皇の動画を彼女に贈りました。

父親を亡くしたばかりの小さな男の子が

ローマ教皇に父親について質問したいんだけど、

涙が溢れ出て言葉にならないので、

ローマ教皇が男の子を抱きしめて「ささやいて」と、

男の子の話を聴いている動画でした。

そのあとで、ローマ教皇が

「わたし達も心に痛みを抱えている時に

 泣く事ができたならどんなにいいでしょう。

 彼は父親のために泣いているのです。

 彼が皆の前で泣くということをする勇気は

 彼の心の中にある父親への愛から来ているのです」

と、お話になっていました。

~・~・~・~・~・~・~

わたしからのメッセージに、彼女は

でもね、その苦しみや涙は、私の貴重な糧となっているので、

今となってはいい経験だったな、と思えますよ。

一人ひとりケースも違って正解もない、

そんな世界だと思うのでシェアしてみました。

のメッセージとともに

そのままでいてください。

と綴られていました。

わたしは、「自分は絶対に人をいじめたりしない」と

負の連鎖を断つ決意を彼女がしたことも、

彼女がわたしに打ち明けてくださったことも

とても尊いことだと感じました。

あるお母さんが子ども達に語りかけたこと

いじめられた子のお母さんが子ども達の前で、

語りかけるようにお話したことがありました。

もう10年以上も前の出来事ですが、

昨日のことのように覚えています。

次のような内容でした。

〇〇(娘の名前)がお腹の中にいるときに、

十月十日(とつきとおか)、元気に生まれてきてほしい、

優しい子に育ってほしいといつも話しかけていました。

〇〇が生まれた時にはとても可愛くて嬉しくて、、、

娘がいじめられていたということを聞いてから今日までの3日間、

とても悲しくて夜眠ることができませんでした。

そしてわたしは気づいたのです。

わたしと同じように夜、寝ることのできないお母さんがいます。

それはね、いじめている子のお母さんです。

あなたたちのお母さんも、あなたたちがお腹にいたときに、

わたしと同じように元気で生まれてきてほしい、

優しい子に育ってほしいと願っていたと思います。

いじめてもいじめられても、どちらのお母さんも、

夜寝られなくなるくらい悲しいのですよ。

一人ひとりだれもがみんな

だれかにとってのかけがえのないとても大切な存在

命から子ども達に語りかけるそのお母さんの言葉は、

子ども達の心にそのまま届きました。

どんなルールや罰則規定よりも

子ども達のいじめをしない心のブレーキとなったのです。

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ペンギン先生
ペンギン先生 愛知県在住。元小学校教員。 学級崩壊のクラスを受け持ち、「面倒くさいし」「やりたくないし」「出来ないし」という子ども集団を目の前にして、「何とかしたい」「道を拓きたい」と懸命に試みていたあの頃の私を思い出しながら書いています。 自己肯定感の低い子ども達や家族の心の闇に直面し、「子ども達一人ひとりに、必ず1つは『天才のたね』がある!」「温かな家族のようなクラスにしたい!」という想いを心の灯火に、試行錯誤しながらも課題に1つ1つ取り組み、全国平均76%よりも低かった子ども達の自己肯定感が担任していたクラスでは97%へと向上しました。 このブログを通じて、子供達の可能性を信じる気持ちが波紋のように大人たちに広がることを願っています。

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