今回は、お友達の物を盗って壊すからという理由で
周りの子ども達から嫌われていた子どものお話です。
先日、戸隠奥社へ早朝参拝に行った
朝の3時半頃
夜明け前の闇の中
約2㎞の参道を
足元を一歩一歩確かめながら歩く
奥社に着いた頃
朝日が昇り,
視界が広がった
帰り道の参道は
力強く立つ木々
清らかな水の流れ
らせんを描くようにそよぐ風
命の息吹を奏でる野花や若葉
光の中で
美しさが満ちあふれた世界を見渡し
魂が喜ぶ瞬間(とき)となった
暗闇の中だと気づかなかった
既にそこにある命の輝きに気づいた瞬間だった
今朝、ふと以前担任をした男の子のことを思い出した
ADHDの診断を受けていた彼は
衝動的に友だちの物を盗り壊してしまう癖があり
周りの子ども達から
「大切な物を壊す子」として嫌われていた
そんな彼の癖をどう直すか試行錯誤していた中で
彼にとって1番よかった方法は
「落とし物直し係」に任命したことだった
物への好奇心が強いこと
そして、
「物を分解し壊してきた彼には
物を組み立てて直す才能があるかもしれない…」
とひらめいたのだ
落とし物を拾って
壊れた箇所を直し
それを友だちに届ける
すると
友だちが笑顔で「ありがとう」と言った
「壊れた物を直す」という「天才のたね」が発芽した頃
「おれは、今、崖を這い上がり
何とか淵に居させてもらっている」
と言っていた彼は
友だちの「ありがとう」が彼の喜びとなり
自ら「落とし物直し係」をずっと続けた
そんな彼の努力を周りの子ども達は認め始め
一緒に遊ぶ子ども達がふえ、
翌年彼は、学級委員に選ばれていた
一見ネガティブな行動や感情の中にも
「才能」や「大切にしたいこと」という
宝物が隠れている
否定したり、無視をしたりしないで
光を向けて
「何かな」「天才のたねかな」とじっと見つめると見つかる
幸せになるGIFT