天才のたね

ソトカサ~あそびのがっこう~

2019年5月18日「ソトカサ~あそびのがっこう~」

ワンディキャンプを開催しました。

すると!あそびの天才が出現しました!(詳しくは③へ)

「ソトカサ~あそびのがっこう~」の今までの軌跡

1回目 雨のため公民館で開催

2回目 雨のためソトカサは中止、お茶会を決行

3回目にして、晴れ!

念願のワンディキャンプを開催をすることができました。

今回、主にやったことは

① けんじ兄さんによる「アイスブレイク」

② 上條さんによる「限りあるモノ(資源)を大事にしてお米を炊く」   

③ 子ども達による「創造性を活かして、知恵と工夫で遊ぶ」

④ 大人達による対話「初めてのことをチャレンジした1日の振り返り」 

また1日を通して、木登り、探検、鬼ごっこなどなど

子ども達の中から湧き上がってくる「遊びたい!」の衝動に、

学童を運営しているおがちゃんが全力で対応していました。

今回の様子をご紹介します。

①アイスブレイク

左手手前が「けんじ兄さん」

初めての場所、初めましての人達、初めてのことには

大人も子どもも緊張したり不安を感じたりするものです。

そこで!気持ちがほぐれる

「アイスブレイク」を最初に行いました。

アイスブレイクを担当したけんじ兄さんは、

高校の体育教師を18年間務めている間に、

休職をして世界一周の旅に出て、

言葉や文化の異なる人達と仲良くなる方法を旅先で実践しました。

そして「これだ!」と体得した方法を

アイスブレイクでシェアしていただきました。

全体の雰囲気が和やかになって、

上條(かみじょう)さんにバトンパス。

② 限りあるモノ(資源)を大事にしてお米を炊く

空き缶2つと牛乳パック1つとマッチ1本で、
お米1合を炊ける技をもつ上條さん

上條さんは、カウンセラ-、キャンプインストラクター、

インタープリターの資格をもち

小学校4年生と6年生の息子とともに、

スペイン巡礼の道830㎞を39日間かけて旅をされた経験者です。

いろいろ失敗しながらチャレンジを繰り返すこと、

なるべくその場にあるものを使って

限りあるモノ(資源)を大事にすること、

大人と子どもが一緒に考えて遊ぶことを大事にしています。

本当に炊けるかどうか
先ずはやってみる!

1つの空き缶に空気の通り穴と

燃料になる紙パックや小枝を投入する穴をあけ

もう一つの空き缶にフタをつくって

お米を1合入れて炊くということに挑戦です。

種火を育てて、その火を維持して、

ご飯を炊くということが、実際やってみると簡単じゃないのです。

真剣に火起こしする姿があちらこちらに

種火がすぐに消えてしまうので、空気の通り道を考えたり、

燃えやすい小枝を選んだり、枯れ草を加えたり、

炎が消えないように投入の仕方を工夫したりしても

種火を大きくしていくことがなかなかできません。

「実は、技術が一番苦手だったんです。」

と言っていた3歳の息子さんのお父さんが試行錯誤をしながら

種火を大きな火にした瞬間!3歳の息子さんが

「父ちゃんすごーーーーーーーーい」

と尊敬の声を上げ

「父ちゃんが火をつけた!」と飛行機のように旋回しながら

走ってみんなに言ってまわったり、

火がすぐに 消えてしまうから、火を分け合ったり助け合ったりと

便利でモノに溢れた世界の中だと起きない出来事が

不便で限りあるモノの世界の中だと起きて

関わり合いも多様で豊かになっていくことが面白かったです。

大人が夢中になっている姿を見せると、

3歳の子どももマッチを探しに聞いてまわったり、

太い枝では燃えにくいことに気づいて、

燃えそうな小枝を選んで拾ってきたりする姿が見られました。

火を維持してご飯を炊くということがなかなかできなくて、

上條さんが用意した火でご飯を炊くことにする方々もいました。

その中で、最後まで空き缶でやり通したのが7歳の男の子でした。

火を維持する息の吹き方をおがちゃんに教えてもらうと

すぐに試してみながら、最後までずっとご飯を炊くことを諦めませんでした。

炊いたご飯をいただく最初の一口

空き缶で炊いたご飯は、上は少し堅めで、

真ん中はほこほこあつあつご飯でした。

するとこの男の子は、ほこほこの美味しいところを、

火を維持するのを側でずっと手伝っていたおがちゃんに

「食べて」と分けていたのです。

おがちゃんは、男の子から分けてもらったご飯を

本当に嬉しそうに食べていました。

一日中、子ども達と遊んだ「おがちゃん」

目の前の人の笑顔に触れて

子どもの心に「喜びのたね」が蒔かれた瞬間を見た!と思いました。


集まった当初は、

ぎゅっとこわばった表情をしていた子ども達も

一緒にご飯を食べる頃にはゆるんできて

それぞれのことに夢中になっていきした。


③ 創造性を駆使して、知恵と工夫で遊ぶ

普段、ゲームで遊び、

モノに溢れた世界で生きている子ども達は

原っぱに着いた時に、

「ここには何もない」「やることがなくて暇だ」とつぶやきました。

が、「何もないから何でもある(by子育て万博での早川先生語録)」

じゃじゃ~ん!遊びの天才出現です!

雑木林の中に落ちていた竹に水を流すと

地面に水たまりができてしまうこと。

水を一旦(いったん)ペットボトルに溜めてから流すと

水が途切れてしまうこと。

「ん?どうする?」の場面で、

あそびの天才にスイッチが入りました。

一番右手にいる子がアイディアをひらめき、カタチにし始めました。
このペットボトルの発想!天才です!

水が逆流しないように、竹を置く角度を考え、

水が一方に流れるかを試していました。

初対面の子ども達が遊びを通して関係性を築き、

創造性を活かして、知恵と工夫で遊びを一緒に創り出していました。

今の日本はモノに溢れた世界ですが、

地球の資源は「有限で限りあるモノ」の世界です。

未来を生きる子ども達が

「限りあるモノの世界」を体感し、

自然の中で創造性を活かして遊ぶ経験は

子ども達の生きる力になるなと思いました。

④ 大人達による対話「初めてのことをチャレンジした1日の振り返り」

子ども達がそれぞれ夢中になって遊ぶ中、

大人達は輪になって1日の振り返りをしました。

参加者の方々の第一声「楽しかった」に続き、

体験を通しての気づきをシェアしていただきました。

「普段は人との間に壁をつくって関わっているのに

 自然の中にいるせいか心が解放されて子どもに戻ったような気持ちだ。」

「スタッフだったけど、参加者になって楽しみました。

 わたし、お父さんのことを好きじゃないけど、

今日参加されたお父さん達をみていたら優しいなって思って、

わたしもお父さんに優しくされたことを思い出して、

家に帰ったらお父さんにもう少し優しくしゃべりかけて、

優しく接しようと思いました。」

前回の「ソトカサお茶会」に参加された方の

「子どもの気づきや発見を見守るってこおゆうことなんやなあって気づく」

とシェアされた記事に投稿されていたことも思い出し、

体験を通して必要なことを必要なタイミングで気づいたことはきっと、

日常の生活に戻っても知恵となって活かされていくんだなと思いました。


あれ?主な活動①~④にわたしはどう関わっているの?

わたしは、「ソトカサ~あそびのがっこう~」で

心のねっこが育つ場創りをしています。

心のねっこ「基本的自尊感情」は

共有体験と感情の共有を通して育まれます。

何かを一緒にして、

うまくいかなくて悔しいという気持ちも

うまくいって嬉しいという気持ちも共有することで、

心のねっこは育っていきます。

目には見えないけど、大切なことです。


次回は6月9日に開催予定です。

6月は梅雨の季節です。

雨がふったら、雨遊びをする予定です。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

soto casa(ソトカサ)とは、

ホッと一息ついて元気になれる、外(野外)にいても家にいるように、心自由でいられる、安心できる場所を作っていきます。

あそびの学校とは、

自然に触れながら、人との関わり合い、自分らしく振る舞い、しっかり遊んで楽しく学ぶ、特別な時間です。    

                  出典 soto casa

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ABOUT ME
ペンギン先生
ペンギン先生 愛知県在住。元小学校教員。 学級崩壊のクラスを受け持ち、「面倒くさいし」「やりたくないし」「出来ないし」という子ども集団を目の前にして、「何とかしたい」「道を拓きたい」と懸命に試みていたあの頃の私を思い出しながら書いています。 自己肯定感の低い子ども達や家族の心の闇に直面し、「子ども達一人ひとりに、必ず1つは『天才のたね』がある!」「温かな家族のようなクラスにしたい!」という想いを心の灯火に、試行錯誤しながらも課題に1つ1つ取り組み、全国平均76%よりも低かった子ども達の自己肯定感が担任していたクラスでは97%へと向上しました。 このブログを通じて、子供達の可能性を信じる気持ちが波紋のように大人たちに広がることを願っています。

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