優しさ一本、背負い投げ

3年生3学期 2月頃のエピソード

3年生の年度途中に、

教員人生最大級の「飛び出し君(授業中、席に座っていられない子どものこと)」が、

転校してきた。

 

転校初日の1時間目はある先生の授業

授業の始めの「お願いします」の挨拶の代わりに、

彼が発した言葉は、

「うるせ〜」「ババア」「ぶっ殺す」

そう言い放って教室から逃げ出した。

 

逃げ出した彼を追いかけて、

授業がされている隣の教室で黒板に絵を描いて過ごした。

 

2時間目は少人数の先生と2人で行う算数の授業…

「飛び出し君」は教室にいたものの、

相変わらずの態度に、

元体育会系パワフル先生が、

彼を凄い目つきで睨みつけ、

授業後に、私に掴みかかる様に言った。

「あいつの好きな様にさせとくの?折角ここまで来たクラスが、

あいつのせいで、メチャクチャにされる。」

とてもパワフルで年上の先生から凄まじい剣幕で怒鳴られた。

 

「彼には居場所が必要だから、排除はしません。

クラスに入れます。よい手立てを一緒に見つけていきましょう。」

と、震えた声でも言い返せたのは、

それまでに出逢った子ども達のナミダが私を支えてくれたから…

学校は、子ども達みんなの居場所だと考えていたから…

(参照 学校が楽しい)

今、振り返るとあの時の私は、パワフル先生が私を怒鳴ったからこそ

自分が大切だと思うことは何かを自分で選ぶことができたんだと思う。

 

その日から約5ヶ月

パワフル先生のお誕生日に、

子ども達とサプライズを計画。

 

算数の授業の「お願いします」のあいさつの後、

「飛び出し君」がニコニコと、

教室の前に出てきて指揮をして、

クラスみんなで歌った曲は、

 

「ありがとうの花」

ありがというっていったら♪

みんながわらってる♪

そのかおがうれしくて♪

なんどもありがとう♪

~途中略~

ぼくらのゆめはみんなと♪

いっしょにうたうこと♪

あったかい手をつなぎ♪

みんなでうたうこと♪

 

それを黙って聞いていた。

パワフル先生の目にナミダがキラリ

 

曲が終わった後に一言、

「本当に、ありがとうって思っていたら嬉しいわ」

と、強がる先生に、

 

子ども達と私が笑顔で応える。

「飛びだし君」が転校してきた1日目

パワフル先生が怒鳴った時に、

「飛びだし君」にも居場所を創る!と覚悟を決めて、

ぐっと、ふんばってよかったな。

子ども達と一緒にふんばってよかったな。

 

正直、この日を迎えるまでに体育系パワフル先生には、

子ども達との信頼感を大切にする関わり方がなかなか理解されず

職員室でもいろいろ言われて、そちらの方が

教室内での「飛びだし君」対応よりストレスで、

パワフル先生の「飛びだし君=ダメな子!」の思い込みを取り払うことは、けっこうな苦労でしたよ。

子ども達と一緒に「飛びだし君」とみんなとどうしたらいい関係で過ごせるかを話し合い聴き合うことは本当に楽しかったのにね。

だから、ここは、にっこり笑顔で優しさ一本、背負いなげの気分、エイ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Photo by Emmy

 

 

 

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ABOUT US

ペンギン先生(たかはし あやお) 岐阜大学教育学部を卒業。 ポルトガル語の通訳として南米出身労働者の生活・労働相談に 約10年間携わり、その日々を通して「寄り添うことの大切さ」を学ぶ。 その後、日本語指導員として公立の小中学校を巡回指導していた時に、 外国人労働者の子ども達の殆どが進学を諦めるという現実を知り、 「国籍や家庭環境に関係なく、才能が開花する方法がきっとある」 という想いから小学校の教員に転職する。 最初は学力向上に力を注ぐが、 学級崩壊を体験したクラス担任に抜擢された時に、 不安感が高く、自己肯定感の低い子ども達や家族の心の闇に直面し、 試行錯誤しながらも課題に1つ1つ取り組み、クラスを立て直す。 これらの経験を通して、安心・安全な環境作りの 独自の手法を体系化し、翌年、学校全体に共有化すと、 全国平均76%よりも低かった子ども達の自己肯定感が、 学校全体で86%、担任していたクラスでは97%へと向上する。 また、発達障がいや外国籍児童、生活困窮家庭を背景とする 児童が多くクラスに在籍する中で、 安心感の高いクラスとして心理学(選択理論)の論文の研究対象となり、心理学(選択理論)の大学院教授からは「奇跡のクラス」と称される。 子どもたちと共に過ごした日々を通して、 思いやりと優しさは生まれもってみんなに備わっており、 「天才のたね」も一人ひとりの中に必ずあること、 天才のたねは思いやりや優しさを通して開花することを学ぶ。