天才のたね

まねして、学ぶ「ソトカサ~あそびのがっこう~」

2019年6月9日(日) 

「ソトカサ~あそびのがっこう~」を開催しました。

雨ソトカサとなりました。

キャンプインストラクター 上條隊長からのお題は、

これから起きる出来事にほくそ笑む上條(かみじょう)隊長

限られたモノから、ご飯を作る

何かあった時に、身の回りにあるモノで

(雨の中でも)火が起こせて

ご飯が食べられることって大事です。

限られた食材と限られた燃料で

知恵と工夫をフル回転させて

小雨の中で食事の準備をします。

最初、材料を前にわちゃわちゃ話し合いがあり、
ボランティアスタッフらいち君の提案で、
役割分担することになりました。

火を起こす人

今回、子ども達の尊敬を一身に集めたヒーローパパ
湿り気の多い雨の日はなかなか火を起こすことができません。
一心に火を起こします。

材料を切る人

3歳の女の子もご飯の準備を手伝います。

お米をとぐ人

お米をとぎ、お水をすてます。
お米一粒一粒を大切にするよう
ボランティアスタッフのお兄さんが手を添えます。

湿気の多い雨の中、

何とか火を起こそうとして、

ずっと挑戦し続けます。

そうこうしているうちに、

チャレンジしていた方の中で

火を起こすことができた方がいました。

前回参加もされて、

火を起こして育てることが難しくて

悔しい思いをした方の再チャレンジでした。

その方にとっても、全体にとっても、

ご飯の調理するための火の準備ができ、

「よかった~!!!」の場面です。

ただ、一緒にチャレンジしていた

もう一人の子の役割がなくなりました。

すると!ここで上條隊長が動きました。

なぜ上條隊長が子どもと関わると、

子どもが「やりたい!」という気持ちになるのか

そして、子どもが「できるようになるのか」

今こそなぞを解くチャンス! 


上條隊長の秘伝の巻物①

「ライチ、お湯を沸かすからあれもってきて」

と上條隊長がボランティアスタッフに指示を出します。

お湯を沸かすポット(?)です。

なるほど!「役割」が引き出されました!

上條隊長は

「(口や手を出さずに)環境を作る」

ということを大切にしています。

初めてのことにチャレンジする子どもに

ついつい大人がやりがちなことに、

「こうしたらできる」と横から口を出したり

「それじゃあできないから、代わりにやってあげる」

と手をだしたりすることってあるあるです。

ただそれだと、

本人の創造性がフル活動する

試行錯誤の時間を奪ってしまいます。

口や手を出す代わりに、

本人の「やりたい」気持ちが持続するように

且つ、全体の流れの中にも居られる

「お湯を沸かす」ための火起こしという役割を

1つ創ったのです。

上條隊長の秘伝の巻物②

なかなか上手くいかない子どもの前で!

やってみせる」が引き出されました。


火を起こしたことがなく

内心、火を怖がっている子どもの前で

実際に火を起こす動作をやってみせるのです。

子どもの特性

まねして、学ぶ」を大いに刺激しています。

上條隊長は笑顔だけど

火やナイフなど危険を伴うモノの扱い方を伝えるときは真剣です。

すると子どもも真剣に手元を見ています。

初めての火起こしです。

火が怖い気持ちと

火を起こしたい気持ち

心の中で葛藤していることも

子どもの身体の動きから伝わってきました。

すると!

上條隊長の秘伝の巻物③

寄り添う」が引き出されました。

上條隊長は、身体を添えて見守り、

火を新聞紙に移す動作を一緒に行います。

「火を起こしたい気持ち」が勝って(まさって)いき、とうとう、

火を起こし、保ち、大きく育てることができたのです。

自分で火を起こして

お湯を沸かして煎れた

一杯のお茶が入ったコップを

両手で大事そうに抱えて運んでいました。

彼にとって、どんな味わいがするのだろう、、、、

~・~・~・~・~・~・~

1回目 雨のため、公民館で開催

2回目 雨のため中止 お茶会開催

3回目 晴天 ソトカサ開催

4回目 雨の後曇り ソトカサ開催

1ヶ月に1回、定期開催すると、

毎回ご参加いただく子どもの成長を

発見する喜びもあります。

種火用の麻紐をほぐす瞬間に

「あれ、あれれ、あれ~」と

驚きの声を上げていた男の子は、

最初のころ、他事に夢中になって、

お湯を沸かしている火元に近づきすぎる

危ない場面もありました。

上條隊長に寄り添ってもらいながら、火を育てる様子

今回は、火の番をするようになりました。

落ちている小枝を拾い
息を横からそっとふきかけます。
人がいない方に向かって息をふいていました。
そして、火元と一定の距離をとっています。

ナイフも火もご飯を作る上で

必要不可欠

欠かせないモノですが

同時に危険なモノでもあります。

安全に使えるように

体験を通して学んでいきます。

子どもって、

近くの(憧れの)人を真似ながら

どんどんと真似して

身につけていくのだなと思いました。

~・~・~・~・~・~・~・~

本日のティータイム

・マシュマロ焼き

・フレッシュミントと糖蜜のスペシャルジュース

大人達が集まってシェアを行う時には、

2人のお子さんのお父さんが、

来年社会に出るボランティアスタッフの大学生が

打ち明けたことに対して、

心からの励ましの言葉をかけるシーンがあって、

その瞬間、一緒にいた人達は、

血は繋がっていないけど、心は繋がっている

温かな家族のようでした。

「ソトカサ~あそびのがっこう~」では

「(野原には)何になくてつまらない」

とつぶやいていた子ども達も

上條隊長の関わり方(秘伝の巻物)によって

子ども達の中にある「やりたい!」が刺激されていきます。

そして、「いいな」と感じるところを

まねて、学んで成長する

それらをみんなで喜ぶ場になっていきます。

外での開催は、今回で3回目

やってみて思うのは

「やりたい!」の気持ちを諦めない心を

子ども達ってほんっとに持っているな。

~・~・~・~・~・~

「今、一人ぐらしだから

みんなで作って一緒に食べたご飯が

何だろう、とてもいいんだ」

と言ったボランティアスタッフさんの

しみじみとした表情も心に残りました。

~・~・~・~・~

そうそう、天才性って、

無理なく自然にしている中にあるから

発見するのがとっても楽しい。

~・~・~・~・~・~

▶︎ ソトカサ(soto casa)とは・・・

ホッと一息ついて元気になれる、外(野外)にいても家にいるように心自由でいられる、安心できる場所を作っていきます。

▶︎ あそびのがっこうとは・・・

自然に触れながら、人と関わり合い、自分らしく振る舞い、しっかり遊んで楽しく学ぶ、特別な時間です。

★ 今回の内容

「食」「遊」「心」をテーマにした、身体を使って学ぶデイキャンプです。キャンプの簡単な基礎知識も学べます。

次回は2019年7月14日開催予定です。

~・~・~・~・~・~

ABOUT ME
ペンギン先生
ペンギン先生 愛知県在住。元小学校教員。 学級崩壊のクラスを受け持ち、「面倒くさいし」「やりたくないし」「出来ないし」という子ども集団を目の前にして、「何とかしたい」「道を拓きたい」と懸命に試みていたあの頃の私を思い出しながら書いています。 自己肯定感の低い子ども達や家族の心の闇に直面し、「子ども達一人ひとりに、必ず1つは『天才のたね』がある!」「温かな家族のようなクラスにしたい!」という想いを心の灯火に、試行錯誤しながらも課題に1つ1つ取り組み、全国平均76%よりも低かった子ども達の自己肯定感が担任していたクラスでは97%へと向上しました。 このブログを通じて、子供達の可能性を信じる気持ちが波紋のように大人たちに広がることを願っています。

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