1つの勇気

今回は、なかなか係を決めることのできなかった

男の子のお話しです。

 

その男の子は、係を決めるときに

悩んで決められない子でした。

 

保育園から一緒の友達は

「いつものことだよ」と言っていました。

 

何とか決めた係なのに「やっぱり変える」

と言って、次に選んだのは号令係でした。

自分で選んだ係なのに、「違う」

と言って泣き出しました。

 

「どうしたの?」と理由を聞いても、

上手く伝えられない男の子の気持ち、、、

「誰か分かる子いる?」

と周りの子ども達に聴いてみました。

 

すると、ある子が教えてくれました。

「選んだ時は大丈夫って思ったけど、

決めたら出来るか心配になったのだと思う」

泣きながら男の子がコクリとうなずきました。

 

「そっかぁ、ちゃんと出来るか心配なのね。

失敗したっていいじゃない、

友だちがきっと助けてくれるよ、大丈夫だよ」

と、言ってみました。

 

ひとしきり泣いた男の子は、

しばらくして、わたしのところにやって来て、

「先生、ぼくね、やってみる。

やってみて、後から

やってみてよかったって思いたいから」

と言いました。

 

初めてのお仕事の日

授業の始まりの挨拶が

その子のお仕事でした。

 

号令をかける直前に

「がんばって」と、子ども達の小さな声が重なりました。

そしたら、びっくりするぐらいの大きな号令の声が聞こえました。

 

とっても小さな一コマだけど

その男の子が勇気を出せたその瞬間は

ずっとずっと心の中にのこっています。

 

きらり輝く子どもの心

まるで冬の夜空の星のようです。

 

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ABOUT US

ペンギン先生(たかはし あやお) 岐阜大学教育学部を卒業。 ポルトガル語の通訳として南米出身労働者の生活・労働相談に 約10年間携わり、その日々を通して「寄り添うことの大切さ」を学ぶ。 その後、日本語指導員として公立の小中学校を巡回指導していた時に、 外国人労働者の子ども達の殆どが進学を諦めるという現実を知り、 「国籍や家庭環境に関係なく、才能が開花する方法がきっとある」 という想いから小学校の教員に転職する。 最初は学力向上に力を注ぐが、 学級崩壊を体験したクラス担任に抜擢された時に、 不安感が高く、自己肯定感の低い子ども達や家族の心の闇に直面し、 試行錯誤しながらも課題に1つ1つ取り組み、クラスを立て直す。 これらの経験を通して、安心・安全な環境作りの 独自の手法を体系化し、翌年、学校全体に共有化すと、 全国平均76%よりも低かった子ども達の自己肯定感が、 学校全体で86%、担任していたクラスでは97%へと向上する。 また、発達障がいや外国籍児童、生活困窮家庭を背景とする 児童が多くクラスに在籍する中で、 安心感の高いクラスとして心理学(選択理論)の論文の研究対象となり、心理学(選択理論)の大学院教授からは「奇跡のクラス」と称される。 子どもたちと共に過ごした日々を通して、 思いやりと優しさは生まれもってみんなに備わっており、 「天才のたね」も一人ひとりの中に必ずあること、 天才のたねは思いやりや優しさを通して開花することを学ぶ。