天才のたね

1つの勇気

今回は、なかなか係を決めることのできなかった

男の子のお話しです。

その男の子は、係を決めるときに

悩んで決められない子でした。

保育園から一緒の友達は

「いつものことだよ」と言っていました。

何とか決めた係なのに「やっぱり変える」

と言って、次に選んだのは号令係でした。

自分で選んだ係なのに、「違う」

と言って泣き出しました。

「どうしたの?」と理由を聞いても、

上手く伝えられない男の子の気持ち、、、

「誰か分かる子いる?」

と周りの子ども達に聴いてみました。

すると、ある子が教えてくれました。

「選んだ時は大丈夫って思ったけど、

決めたら出来るか心配になったのだと思う」

泣きながら男の子がコクリとうなずきました。

「そっかぁ、ちゃんと出来るか心配なのね。

失敗したっていいじゃない、

友だちがきっと助けてくれるよ、大丈夫だよ」

と、言ってみました。

ひとしきり泣いた男の子は、

しばらくして、わたしのところにやって来て、

「先生、ぼくね、やってみる。

やってみて、後から

やってみてよかったって思いたいから」

と言いました。

初めてのお仕事の日

授業の始まりの挨拶が

その子のお仕事でした。

号令をかける直前に

「がんばって」と、子ども達の小さな声が重なりました。

そしたら、びっくりするぐらいの大きな号令の声が聞こえました。

とっても小さな一コマだけど

その男の子が勇気を出せたその瞬間は

ずっとずっと心の中にのこっています。

きらり輝く子どもの心

まるで冬の夜空の星のようです。

ABOUT ME
ペンギン先生
ペンギン先生 愛知県在住。元小学校教員。 学級崩壊のクラスを受け持ち、「面倒くさいし」「やりたくないし」「出来ないし」という子ども集団を目の前にして、「何とかしたい」「道を拓きたい」と懸命に試みていたあの頃の私を思い出しながら書いています。 自己肯定感の低い子ども達や家族の心の闇に直面し、「子ども達一人ひとりに、必ず1つは『天才のたね』がある!」「温かな家族のようなクラスにしたい!」という想いを心の灯火に、試行錯誤しながらも課題に1つ1つ取り組み、全国平均76%よりも低かった子ども達の自己肯定感が担任していたクラスでは97%へと向上しました。 このブログを通じて、子供達の可能性を信じる気持ちが波紋のように大人たちに広がることを願っています。

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