天才のたね

子どもの頃に読んだ物語~学校編~

ペンギン先生、学校へ

2019年4月8日の今日、

田舎にある小さな小学校の

始業式でお話しをしました。

この3年間、ただただ、

魂のふるふる実験と

ぽんやりとを交互に続けた

「人生の休暇」であった3年間を経て、

教員を初めた頃に外国人児童の対応を

一緒にやっていた先生が校長先生となり

教員最後の年に組合を一緒にやっていた

先生が教務先生となり、

その方々からの(熱烈な)依頼により

新任の先生の後補充の先生として、

本日、学校現場に復帰しました。

そして、本日の始業式、

わたしは一番最後の挨拶となりました。

底冷えする体育館に体操座りをしている

子ども達は先生達がお話ししている間中

もぞもぞと動いていました。

挨拶の声が大きいですね、

お話しを聞く姿勢がすばらしいですね

と言った先生方のお話の後で、

これからの1年間に会うのは

多くて12回、もしかしたら

最初で最後かもしれない子どもも

いるかもしれないと思ったわたしは

この機会に、わたしらしいお話しがしたくなりました。

子ども達へのごあいさつ

「みなさん、おはようございます。

久しぶりの体育館で体操座りをしていると

お尻がひんやりと冷たいですか。」

ゆっくりと子ども達の顔を見渡しました。

いっせいにうなずく子ども達がいました。

そして、もぞもぞとしていた子ども達の心が

わたしの方を向き体育館が静かになりました。

この静けさは、子ども達の心の耳が

話し手に向けられた時の静けさです。

「わたしは、みなさんと同じ年の頃、

目の前がお山の自然豊かな土地に育ちました。

お山でドングリを拾ったり、

テントウムシを見つけたりして遊びました。

そして、自然の中でたくさん遊びながら、

たくさんの本を読みました。物語が大好きでした。

『ドリトル先生』の本を読んで、

動物の言葉が話せるお医者さんになりたいなぁ。

『ニルスの不思議な旅』を読んで、

がちょうの背中にのって広い世界を旅したいなぁ。

『長靴下のピッピ』を読んで、

お友達を助けることのできる力持ちの女の子になりたいなぁ。

物語の主人公に憧れにも似た気持ちを抱いていました。

今、大人になって、気づいたのです。

ドリトル先生のように動物の言葉は話すことはできないけれど、

ポルトガル語とスペイン語と英語が話せるようになりました。

ニルスのようにがちょうの背中に乗って旅はできないけれど

飛行機にのって、広い世界を旅することができるようになりました。

ピッピのように馬を持ち上げたりすることはできないけれど

元気のないお友達がいたら

励ましたり勇気づけたりすることはできるようになりました。

世界を旅して、実際にこの目で見てみると、

世界はびっくりするぐらい広いです。

広い海でイルカと泳いだり、

アマゾン川でワニをつかまえたり、

ベトナムで大きなへびを首にまいたりしたこともあります。

わたしにとってのちょっとした冒険物語です。

子どもの頃に読んだ物語って

心に「憧れ」や「ときめき」のたねを

いっぱい蒔くんだなあと思います。

皆さんはどんな物語が好きですか。

皆さんと会ったときに、

いろんなお話しをしながら

心と心がつながって、

仲良くなれたら嬉しいです。

これでお話しを終わります。」

小さな頃のわたし

小さな頃のわたしは、「不思議ちゃん」で

感じていることや思っていることに

言葉が追いついていかず、

なんとか表現しても

なかなか周りに理解されることがありませんでした。

そして、IQは140あって、

田舎では飛び抜けて勉強ができたのを

担任の先生に嫌がられ煙たがられることも経験し

「勉強はできちゃいけない。

 周りに合わせなくちゃいけない」

と思って生きてきました。

だから小学生の頃は、本と周りの自然がわたしの先生でした。

ここにきて、

感性を活かして生きている人達や

自分らしい表現で人と人との心をつないで

生きている人達と話をして

「周りに合わせて、自分を偽っちゃいけないな」

と、すごく思うようになりました。

だから、田舎の小さな学校の始業式に

初めて出会う子ども達の前で

子どもの頃に大好きだった物語のお話しを

「そのまんまのわたし」でお話ししてみました。

そしたら、始業式が終わった後に

「ぼくも先生みたいなこと、やってみたいな」

と、教頭先生から言われたことが

何だか新しい展開でした。

おわりに

帰宅して、新しく出会う子ども達と、

これからどんな物語が紡がれていくんだろうか。

とても楽しみだなと、料理をしながら考えていた時のことです。

大きなコンビナートをつくる資格をもちながら

その知性を福祉のねっこの立て直しに活かしている

心優しい夢見るおじさんからメッセージが届きました。

「お誕生日おめでとうございます!

ますます、あやおワールド全開で

まわりの方々を笑顔にしてあげて下さいね!」

はい!そうします。わたしらしいやり方で。

人生の新たなスタートに立った日


追記

子ども達の心のねっこを育む学校と家庭と第3の居場所として

「ソトカサ~あそびの学校~」をこの3月に開始しました。

第1回目は、フリースクールに通う子どもや

人間関係につまずいた経験のある子ども達、その親

将来、教員になりたい学生ボランティア30名ほどで開催しました。

月に1回、年10回は開催し、体験を通して

身近な人達に心のねっこを育むこととは何かを伝えることと

心のねっこを大切にする方々とつながること意図しています。

「ソトカサ~あそびの学校~」についてはこちら

次回は5月18日開催予定

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ABOUT ME
ペンギン先生
ペンギン先生 愛知県在住。元小学校教員。 学級崩壊のクラスを受け持ち、「面倒くさいし」「やりたくないし」「出来ないし」という子ども集団を目の前にして、「何とかしたい」「道を拓きたい」と懸命に試みていたあの頃の私を思い出しながら書いています。 自己肯定感の低い子ども達や家族の心の闇に直面し、「子ども達一人ひとりに、必ず1つは『天才のたね』がある!」「温かな家族のようなクラスにしたい!」という想いを心の灯火に、試行錯誤しながらも課題に1つ1つ取り組み、全国平均76%よりも低かった子ども達の自己肯定感が担任していたクラスでは97%へと向上しました。 このブログを通じて、子供達の可能性を信じる気持ちが波紋のように大人たちに広がることを願っています。

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