天才のたね

日常こそが尊くて、日常こそが愛おしい

お誕生日の日に

わたしの誕生日の日のことです。

「せっかくだからレストランにでも食べにいくか?」

と、誘ってくれたまこちゃん(夫)に

「我が家でのんびりと食べたい」

と応え、夕飯の時間帯に我が家にいました。

すると、自宅のチャイムが鳴り、

「お誕生日おめでとう」の言葉とともに

お仕事と家事の合間の時間をやりくりして

自宅に花束を届けてくださった方が現れました。

~・~・~

学校の先生を辞めた3年前、

それまで培った人間関係のほとんどを手放しました。

そして、この3年間の日々を経て、

こうやって何者でもないわたしに、

時間をやりくりして自宅にまで来て

お祝いをしてくれる方が現れるとは

とてもありがたいことだなと思いました。

どう生きたいか

先生を辞めた年の4月、

東京都内の高級マンションの一室で

「あやおちゃんは、これからどうしたいの」

と問いかけてくださった方がいました。

わたしはもし、何かを手に入れたいと言ったら、

その方はご自身がされているビジネスの智慧や経験を

伝えて下さるつもりで聞いてくださるんだなと思いつつ、

わたしの口からでたのは

「わたしは、丁寧に毎日を生きたいです。

ゆっくりとご飯を食べるとか、家の中を整えるとか、

そういったことをやってみたいのです。」

その方は、わたしの思いを尊重してくださいました。

生きるって何?

そんな会話をした日から3年後の

わたしの誕生日の翌日の朝食です。

学校の先生をやっていた頃と、

メニューは変わらず、

目玉焼きとサラダ。

(実際、料理の腕はあんまり上がっていません)


ただ、素材がだいぶ変わりました!

・砂糖の入っていない米粉のマフィン

・珈琲愛に満ちた方が焙煎しているコーヒー

・有機野菜のサラダ

・平飼いのたまご

・無農薬のオレンジ

この3年間の人との出会いを通して、

何が大切なのかを知り、

選ぶものや食べるものが変わりました。

~・~・~・~・~

朝食の時間の会話も変わりました。

学校の先生をしていた頃のわたしは、

朝食をとりながらも

学校についてからの段取りを考えていて、

常に気が急いていました。

まこちゃんとも朝は、

今日は何時に帰るとか、

朝は何時に出て行かないといけないとか、

業務連絡のような会話をしていました。

この日の会話は随分違いました。

まこちゃんが、病気になったことで

今はだれとも話しをしようとしない

知り合いのことを気にしていました。

そのまこちゃんの目に、

こちらも誕生日プレゼントとして

いただいた本が目にとまりました。

「生きるって、なに?」 たかのてるこ 文と写真

「この本をわたしたいと思うがどう思う?

 一度、この本を読んでくれ」と言われ、

その方に渡したいという本を

わたしは朗読しました。

ゆっくりと声にだして読んでいるうちに、

あるページで胸がいっぱいになって

声が出なくなりました。

「もう読めない」

と言うと、

「最後まで読んでほしい」

と言われ呼吸を整えて、

最後まで読みました。

そこには、こう書いてありました。

「生きるとは

 すべてが愛で

 愛がすべてだと知ること」

  (文と写真 たかのてるこ)
~・~・~・~・~

先日、ある素敵なアーティストの方と

ゆっくりとお話しする機会がありました。

その方の創られた曲の中から、

「わたしはこの曲が今とても心に響く」と伝えると

「あやおさんって、その人の表面に現れている

輝いている部分だけじゃない、

ずっと苦しんできたことや辛かったことも合わせて

感じとっているから、感動が深いんだね」

と伝えられました。

そして、その曲を創った背景を

かいつまんでお話ししてくださいました。

会う回数や交わす言葉が少なくても

深いところで分かり合えている

という気持ちになる方でした。

わたしはその方の言葉を思い出しながら、

わたしの出会う「輝いている」人達の全てに

共通していることがあるなと気づきました。

それは、闇を見つめて向き合って、

その奥にあるその人ならではの

人生の真実を見つけ出した人達だということです。

おわりに

さっき、大切なお友だちからメッセージをもらいました。

手術をすることになったというメッセージでした。

わたしは、彼女のこと、彼女の夫のこと、

彼女の子ども達のこと、

彼女が心から大切に思う人達のことを想いました。

想いながら、時々涙があふれながら、

セロリをきざみ、にんじんやマッシュルーム、タマネギを切り、

アサリ出汁(だし)の野菜スープを作りました。


日常こそが尊くて

日常こそが愛おしい

と感じました。







ABOUT ME
ペンギン先生
ペンギン先生 愛知県在住。元小学校教員。 学級崩壊のクラスを受け持ち、「面倒くさいし」「やりたくないし」「出来ないし」という子ども集団を目の前にして、「何とかしたい」「道を拓きたい」と懸命に試みていたあの頃の私を思い出しながら書いています。 自己肯定感の低い子ども達や家族の心の闇に直面し、「子ども達一人ひとりに、必ず1つは『天才のたね』がある!」「温かな家族のようなクラスにしたい!」という想いを心の灯火に、試行錯誤しながらも課題に1つ1つ取り組み、全国平均76%よりも低かった子ども達の自己肯定感が担任していたクラスでは97%へと向上しました。 このブログを通じて、子供達の可能性を信じる気持ちが波紋のように大人たちに広がることを願っています。

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