天才のたね

白い羊たちと黒い羊、そして怪傑ゾロ

子どもの国

むかしむかしあるところに

子どもの国がありました。

その子どもの国は、

かつて周りの大人達の「ダメだ!ダメ!」という否定の嵐によって

心が荒れた子ども達が住んでいました。

ある日のことです。

よその国からペンギンがやってきました。

「面倒くさいし・やりたくないし・できないし」

という子ども達の姿に心を痛めたペンギンは、

「『ダメだ!』という言葉を使わない!」と決心し、

自分の出来る事を見つけては小さくてもコツコツ続けると、

やがて子ども達は、ずっと隠していた辛い気持ちをペンギンに語り、

ペンギンは子ども達の辛さを自分の痛みとして受け止めて、

子ども達と共に涙を流すと、

子ども達はやがて本来の優しさや思いやりを

表現するようになっていきました。

自己肯定感が育ち、信頼関係で結ばれた子ども達は

誰かが分からないと言ってもバカにはしたりはしないし

何かが苦手だと言っても仲間ハズレにしたりはしませんでした。

分からないから学び

苦手なことがあるから得意な誰かの居場所をつくる

どうしたの

応援してるよ

温かな言葉が増えると

勇気を出して挑戦する子ども達も増えていきました。

挑戦するときには

うまくいかないことがあるのが

人生の真実です。

勇気を出して挑戦をして、

うまくいったことは自信になって

うまくいかなかったことは学びになる

プラスのスパイラルの中で

子ども達はびっくりするような姿をペンギンに見せてくれました。

支え合い補い合う子ども達との日々から

ペンギンは思いやりと優しさは生まれもってある

天才のたねは思いやりと優しさを通して開花することを知ったのです。

大人の国へ

いよいよペンギンは大人の国に冒険に出ました。

すると、大人の国は子どもの国よりもずっと闇深い魔界でした。

後だしジャンケン大臣が治めるピカピカ国での出来事です。

子ども達のもつ目には見えない力や可能性を信じることで

子ども達が再生し変容していく姿に

たくさん触れてきたペンギンは生まれて初めて、

「人は信じるに値するのだろうか」

そんな事を思い悩む事態に遭遇しました。

白い羊たちと黒い羊

当時、後だしジャンケン大臣は国を治めるために、

求心力を高めたいという野望を抱いていました。

その野望を果たすためにペンギンの大切な人を皆の前でなじり、

あいつは黒い羊だ

僕たちは白い羊だ

黒い羊は排除して

白い羊だけで、質の高い、いい県を作ると、

宣言しました。

すると、ペンギンがしていない事を

事実は白い羊が誤って犯した事を

「ペンギンがやった!」と事実とは異なることを広める

白い羊までもが現れました。

ペンギンの大切な人が黒い羊にさせられて、

ペンギン自身も嘘で貶められる、、

何かがおかしい

何かが変だ

そう思っても、

意気揚々と非難する後だしジャンケン大臣や

大臣に従って正義を主張する白い羊の考えや態度を変える事は困難でした。

今は何にもできないな、、、

無力感に陥ったときペンギンの心に、

大切な人を貶める後だしジャンケン大臣や

白い羊を憎みたくなる気持ちが生まれました。

だけど、ペンギンは後出しジャンケン大臣と同じ事をして

同じ土俵には立ちたくない

憎しみを誰かに向けたくない

荒ぶる心とその心を律する意思との葛藤でいっぱいになったときに

2人の顔が思い浮かびました。

その2人とペンギンは短くも深い対話をしました。

1人の方からは、辛い気持ちを受け止めていただき

もう1人の方からは、行動指針のヒントをいただきました。

心が落ち着き、高い視座を得た時に

ペンギンは葛藤の渦から脱出するきっかけを得たのです。

現状と闘っても憎しみや負のスパイラルしか生みだしません。

自分の望みを大切にしながら

今ある現状の中で

何から始めたらいいか

ペンギンの心は随分と弱っていました。

そこで、ペンギンにとって、

自分の能力を最大限発揮できる環境とは何か。

今ある現状で

今あるもので

何ができるか。

問いをもった時に

ペンギンはひらめきました!

怪傑ゾロ!登場

人類の叡智の一つ、心理学の中から

子どもの国で機能した「ゾロ・サークル」

怪傑ゾロ!に再び出現願う事にしたのです。

ヤッホー

怪傑ゾロ!

君の出番だよー

ゾロ・サークルとは、

自分のコントロールが効かない状況に圧倒され、

理性が感情に乗っ取られ、

冷静な判断が出来なくなってしまったときに

試みるといいある法則のことです。  

出典 『幸福優位7つの法則』(シェーン・エイカー)

また、心理的安心が感じられない場で、

挑戦したり実力を発揮したりするには、

心理的安心が感じられる場の

何倍ものエネルギーを必要とします。

ペンギンは自分の心がとても繊細なことを自覚しています。

怪傑ゾロが小さな輪の中で鍛錬し

やがては自由自在に動き、大活躍したように

ペンギンの場合は、

心理的安心を感じる小さな輪(ゾロ・サークル)から

少しずつペンギンらしさを発揮しよう!と考えたのです。

ペンギンは、不登校になる子ども達の気持ちが少し分かったような気持ちになりました。

人が怖いってこういう感じなんだなと思いました。

先ず、ペンギン自身の元気が回復するまで、

白い羊県には行かないことを決め、

ペンギンのエネルギーを

小さなゾロ・サークルに徹底的に注ぎました。

そして、大人の国であっても

愛や信頼があると感じる人達に会うようにしました。

すると、白い羊県で失われた自分の人生の主人公は

他の誰のものでもない自分であるということ

決めたこと、

選んだこと、 

行動したことで人生が創られていく

コントロール感覚が蘇ってきました。

ペンギンに朗らかさと笑顔が戻り、

素晴らしい出会いの中で、

人を信じる心を取り戻していきました。

怪傑ゾロ!のゾロ・サークルを始めて数ヶ月後、、

ふと、周りを見回してみれば

ペンギンは愛や信頼は確かにあると感じる人達に囲まれていたのです。

白い羊県のその後、、

さて、後だしジャンケン大臣が治める

白い羊県はどうなったでしょうか。

選ばれた白い羊だけになって、

事がうまく運ぶようになったのでしょうか。

最初は後だしジャンケン大臣の思う通りに

うまくいっているようにみえました。

しかし、後だしジャンケン大臣は

人前で特定の人をなじることや、

名指しで「あいつはダメだ」などの言動を、当初改めませんでした。

実は、これらは恥やネガティブな感情を与えてコントロールしようとする行為、

そして特定の行為で存在全てを否定する行為です。

すると、白い羊達の中に、

「次は自分が黒い羊とされるのではないか」

そんな恐怖心が潜在意識の中に徐々に生まれていったようでした。

白い羊県では、後だしジャンケン大臣の顔色を気にした言動が増え、

同調圧力が高まり、自由が失われると、

白い羊本来の才能やよさではなく、

悪い面が引き出されるようになっていました。

ここで、ペンギンは

「なぜ事実とは異なる嘘を、事実だと思い込んで嘘を広める白い羊が現れるのか」

という当初抱いていたナゾの答えが導き出せました。

同時に、後出しジャンケン大臣に

反発する白い羊も現れたようでした。

そして、後日嘘を広めた白い羊は、同じ過ちを再び白い羊県でも犯したようでした。

この時、ペンギンはあることに気づきました。

アメとムチ大臣が治めた

子ども国で起きた事と同じ事が、

大人の国でも起きていたのです。

参照 つまずいた子ども達への愛のムチか、無知のムチか~子ども達の姿が真実~

一つの仮説をペンギンは抱きました。

もし、後出しジャンケン大臣が宣言したような

質の高い、いい県をつくりたいなら

排除や差別の構造から作るのではなくて

遠回りのようでも

No one left behind/ 誰一人とりこぼしのない方法や仕組みを考えて選択し、

コツコツと出来る事を積み上げていく方が、

長い目で考えたときには、

全体の質は良くなっていくという仮説です。

そのための、最初の一歩は、

大人の国であっても

「ダメ」という言葉で、誰かがした一つの行為で

存在全体まで否定するようなことはしない

ということだと思います。

崩壊した関係性から、再生し素晴らしい成長を見せてくれた

子ども達の姿からそう考えます。

神々が住む島で

ペンギンが旅に出た時のことです。

そこで白髪の不思議な力をもつ

麗しいおばあさんに出会いました。

そのおばあさんは、むかしのむかし、

そのまたむかしのお話しとして

二つの国とその二つの国を行き来する人達の物語を語ってくれました。

二つの国を行き来する人達は

異端とされた長い歴史がありながらも、

美辞麗句ではなく

本音を言うことで

人が大切な事に気づいていく

原点に戻るのに

地球が必要としている人達だという物語でした。

                 2020年 大晦日の日に


神々の住む島にて
ABOUT ME
ペンギン先生
ペンギン先生 愛知県在住。元小学校教員。 学級崩壊のクラスを受け持ち、「面倒くさいし」「やりたくないし」「出来ないし」という子ども集団を目の前にして、「何とかしたい」「道を拓きたい」と懸命に試みていたあの頃の私を思い出しながら書いています。 自己肯定感の低い子ども達や家族の心の闇に直面し、「子ども達一人ひとりに、必ず1つは『天才のたね』がある!」「温かな家族のようなクラスにしたい!」という想いを心の灯火に、試行錯誤しながらも課題に1つ1つ取り組み、全国平均76%よりも低かった子ども達の自己肯定感が担任していたクラスでは97%へと向上しました。 このブログを通じて、子供達の可能性を信じる気持ちが波紋のように大人たちに広がることを願っています。

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