その他

苦しみの連鎖を断つ~虐待を考える~

NHK「あさイチ」特集~虐待を考えるキャンペーン~」の番組内容のまとめです。番組を視ながら、走り書きしたメモの再現になります。詳細は番組をご覧下さい。

虐待の定義

虐待とは、暴力によって相手を変えようとする行為(言葉の暴力も含む)

コメンテーターは、

山梨県立大学 西澤哲(さとる)教授  

NPO法人女性・人権支援センターステップ 理事長 栗原加代美さん

虐待にはどんな要因があるか。

親がわが子を虐待してしまうのには、いったいどんな要因があるのか?

そして、実際に虐待をしてしまった親の本音から、どうしたら虐待を防ぐことができるのか?2つの事例から考えます。

事例1 夫婦と息子の3人家族

事例2 グループワーク

事例1 夫婦と息子の3人家族

虐待の要因について

母親のお話し

・夫は夜勤が多い。

・夜泣きをする息子を抱え、だんだんと孤立感を深めていった。

・泣いている息子が自分を「責めている」感じがしてきた。(被害者意識)

・境界線を越えて、子どもを叩くようになった。

・それからは、子どもが言うことを聞かないとしつけと称して、息子をたたいた。夫も息子をたたいた。

母親の本音

・「これは正義だ」

・「わたしは間違っていない」

・「正しいことをしているんだ」

・違和感があるものの自分に言い聞かせている。

母親の転機

・小学校に入ると、「息子が教室を立ち歩く」「友だちをたたいている」と学校から連絡が入る。

・医療機関に相談に行くと、息子が「発達しょう害」の診断を受け、専門家のアドバイスを受ける。

父親の転機

「なぜ友だちをたたくんだ!」と息子を叱ると、息子は「どうしてたたいちゃいけないの」と言ったことに愕然とし、「自分たちがしていて、子どもにするなとはいえない、これは親の責任だ」と気づく。

虐待の防ぎ方

・「怒り」から、「しつけ」と称して子どもを叩くことを防ぐために夫婦でルールを決める。

・冷静な方が相手を鎮める。

・その場から離れる。

・感情をノートに書く。

今の親子の関係性

息子「弁当に昨夜ののこりを入れるのは勘弁してほしい」

母 「う~ん、そこは許してもらいたい」

息子のつぶやき

「言いたいことをいうのでケンカになることもある」

西澤哲教授の考察

・親子がケンカになるのは言えなかったことが言えるようになったから。(以前は親への恐怖があった)

・感情が暴力に転化しない工夫をしている。

・医療関係者に相談に行き、子どもの姿を客観的に知ることで、それまでとは違う見方ができる。

・「これは正義だ」「わたしは間違っていない」「正しい」と言い聞かせているときは、実はどこかに違和感があって言い聞かせている。

・医療関係者や同じ悩みをもつ人達と「つながる」ことで、(夫婦の中で)正しいと思い込んでいた「間違い」に気づくことができる。

事例2 グループワーク

過去、虐待をした経験のある方々が集まるグループワーク(提供 女性・人権支援センター ステップ)

叩く・怒鳴るという状況には何があるか?

ある男性の本音。

・習慣 それしか知らない。

・言うことを聞かない相手には「しつけ」と称して手をあげる。

・同じ加害者同士で話をすると、自分の加害性に気づくことがある。

虐待をした本当の理由

・家族がいつか家を出て行ってしまうのではないかという不安。

・当時抱えていた夫婦関係や会社でのストレスが子どもに向く。

虐待の防ぎ方

・ノートに気持ちを書いてまとめていく。

ステップ理事長 栗原さんの考察

・満たされない思い、子どもと関係のないストレスが簡単に子どもに向かう。

・グループワークでは仲間意識の中で、周りの人達が鏡となって自分を見つめ直し、歪んだ考え方が健全な考え方へとなる。

・もし、家族が子どもに虐待をしていたら責めるのではなく、「あなたがやっていることは虐待だと思うので、わたしと一緒に更正プログラムに行きましょう」と伝える。

・寝不足やお腹がすくとイライラするので、セルフケア(自分自身を大事に)すると、怒りもへっていく。

虐待をする親の考え方

・言うことを聞いて「くれない」、寝て「くれない」。この「くれない」には、子どもは親の言うことを聞く「べき」が隠されている。

虐待を防ぐ考え方

・子どもは親の所有物ではなく、別の人格をもつ存在だと尊重する。

親子の関係性の築き方

・「どうしたかったの」「どうしたいの」と子どもの願望を聞く。

・子どもが理不尽なことを言うときも受け止めた上で、わたしは「こう思うよ」と言う。

・「どっちがいいの」と子どもに選択をさせる質問をする。

・怒らなくても見守ればいい、それが尊重。

・失敗の経験もさせたらいい。

虐待をなくすために周囲にできること

親の孤立感を減らし、どうしたら心地良い変容を促していけるか

試み

・気軽に相談できる人を増やす。

・本人の弱さを責めるのではなく、周りの環境を強くする。

・相手のキャラクターやニーズによって、押したり引いたりする距離感をみつけていく。

ドリル1

もし下記のようなメッセージがきたらどうしますか。

「助けて、もうどうしたらいいのか分からない、どこに相談したらいいのか」

対応①「どこに相談したらいいのか」に着目し、相談窓口を紹介する。例 児童相談所虐待対応ダイヤル「189」

対応② 文の全体から、「どうしたの」と寄り添って話を聞く。

ドリル2

隣の家から子どもの泣き叫ぶ声が聞こえたらどうしますか。

対応① ステップ理事長 栗原さん

別の機会に会ったときに、「お母さん大変ですね。何かできることはありますか。」と聞く。見張らないで見守って。

対応② 西澤哲教授

お隣の家のチャイムを鳴らし、「気になったので、、何かお困りではないですか。心配なので」

どれが正しいではない。柔軟な対応が求められている。

地域では何ができるのか。

児童虐待を減らすために、地域では何ができるのか。子育てに悩む親にどう接すればよいかなど、周囲の人にできることは何か。2つの取り組みから考えます。

取り組み1 大阪「ゼロ会議」

取り組み2 和歌山県での取り組み

取り組み1 大阪「ゼロ会議」

発起人 一般社団法人「日本子育て制度機構」浜辺理事

身近にいる親子に寄り添い、児童虐待で亡くなる子どもをなくそうと、関西の35の子育て支援団体などが呼びかけた「ゼロ会議」が2019年2月発足。地域の方々が「お母さん、お父さん、話し「聞くで」に参加。子育てに悩む親の話を肯定的に聞き、自治体なでの支援制度や相談窓口などを知らせる。

取り組み2 和歌山県での取り組み

お手製のお結びを食べながら、ざっくばらんに話ができる場。つらい気持ちを話し合う。

・苦しい時に1人で泣いていた。

・孤独感が1番の虐待の入り口。

・子どもを叩いたのは、夫に関心を向けてもらいたかったから

・子育てはうまくいって当然、だれも褒めてくれない。

ステップ理事長 栗原さんの考察

・ストレスを言葉にしないでフタをすると「怒り」になる。聞いてもらうと、ストレスがへる。

さいごに

NPO法人女性・人権支援センター理事長栗原さんの親子の関係性の築き方は選択理論に基づいています。

西澤教授の講演会の要約 教師、大人の役割がとても参考になりました。

参考記事 選択理論について

Photo by Emmy

ABOUT ME
ペンギン先生
ペンギン先生(たかはし あやお) 愛知県在住。元小学校教員。講師。(近い未来)作家。 学級崩壊のクラスを受け持ち、「面倒くさいし」「やりたくないし」「出来ないし」という子ども集団を目の前にして、「何とかしたい」「道を拓きたい」と懸命に試みていたあの頃の私を思い出しながら書いています。 自己肯定感の低い子ども達や家族の心の闇に直面し、「子ども達一人ひとりに、必ず1つは『天才のたね』がある!」「温かな家族のようなクラスにしたい!」という想いを心の灯火に、試行錯誤しながらも課題に1つ1つ取り組み、全国平均76%よりも低かった子ども達の自己肯定感が担任していたクラスでは97%へと向上しました。 このブログを通じて、子供達の可能性を信じる気持ちが波紋のように大人たちに広がることを願っています。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です